
堀之内 康平さん(35期・大学院生)
(35期・大学院生)
早稲田大学 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻 博士後期課程2年(2025年4月現在)
奨学会に参加して
私が山田長満奨学会に応募したきっかけは、単に「経済的な支援」を求めてという理由だけではありませんでした。奨学会を通じて得られる人との出会いや経験が、将来にわたって自分にとって大きな財産になると感じたからです。
中でも特に魅力的だったのは、奨学会が長い歴史を持ち、給付型の支援に加えて、奨学生同士が定期的に交流できる機会を提供しているという点です。月に一度開催される交流会は、他の奨学金制度ではあまり見られない特色であり、同世代で志を高く持つ仲間たちと深い関係を築くことができる貴重な場だと感じました。
実際に参加してみると、奨学生は大学や専門分野も多様で、さらには国際色豊かな構成にも驚かされました。その多様さに最初は圧倒され、緊張もありましたが、皆が自分の考えをしっかりと持ちつつ、相手の意見にも真摯に耳を傾ける姿勢を持っていたことが印象的でした。そのおかげで、初対面にもかかわらず自然な形で意見を交わすことができ、この奨学会が本当に「志ある者が集う場」であることを強く実感しました。
現在は
現在、私は大学で統計学を専攻し、日々研究に励んでいます。統計学は、単にデータを扱う学問ではなく、1. データをどのように収集するか、2. それらをいかに数理的にモデル化するか、3. その上でどのような意思決定を導くか、という三つのステップを明確に整理することが非常に重要とされています。
私の研究では、こうした視点を踏まえ、現実世界の複雑な問題に対して、統計的に最適な意思決定を導くことを目指しています。こうした研究はより良い社会の実現につながると考えており、私自身も世界で活躍できる人材を志しています。
また、奨学会の活動を通じて得られた同期との横のつながりも、私にとって非常に大切な財産です。定期的に連絡を取り合っており、支援期間が終了した後も、このつながりを大切にし、定期的な交流を継続していく予定です。
奨学会に参加したことを振り返って
山田長満奨学会に参加して最も印象的だったことは、自分の視野を大きく広げることができたという点です。医学、農学、教育学など、普段の大学生活ではなかなか接点を持つことのない分野を専攻する奨学生たちと交流する中で、物事の捉え方や価値観を多角的な視点から見直すきっかけを数多く得ることができました。
中でも特に印象に残っているのは、山田会長との会話を通じて「簿記」の重要性を認識したことです。これまで私は簿記に触れたことがなく、正直なところ「自分とは縁遠い分野」だと考えていました。しかし、山田会長が語られた「簿記は社会人として必要不可欠な分野である」という言葉が非常に強く心に響きました。それをきっかけに、研究とは別に簿記の学習を始めるようになりました。学び始めてみると、複式簿記の構造が非常に合理的で美しく設計されていることに気づき、これまでとは異なる角度から仕組みを見る目を養うことができています。まだ基礎的な内容に取り組んでいる段階ではありますが、今後も継続的に学習を進めていきたいと考えています。この経験は、単なる知識の獲得にとどまらず、自分の価値観に大きな変化をもたらしたと実感しています。
これから奨学会への応募を考えている方へ
これまで繰り返しお伝えしてきたように、山田長満奨学会に参加することの価値は、単に経済的な援助を受けられるという点にとどまりません。むしろ、それ以上に大きな意義があるのは、山田会長をはじめとして、通常の大学生活を送っているだけでは出会うことのない多様な人々とのつながりを築けることです。
分野や背景の異なる奨学生たちとの交流は、自分自身の価値観や視野を広げるだけでなく、新たな学びや気づきを得る貴重な機会になります。また、そうした関係は一過性のものではなく、今後の人生においても重要な意味を持つ人間関係へと発展していく可能性があります。
もし、学生である今のうちにさまざまな経験を積み、視野を広げながら大きく成長したいと考えているのであれば、この奨学会への応募は、まさにその成長に直結するものだと私は思います。迷っている方には、ぜひ積極的に挑戦してほしいです!